障害年金の金額はいくら?令和8年度の1級・2級・3級を早見表で解説

年金手帳風の冊子と等級別の目安表・カレンダー・電卓を並べた木目のデスク 障害年金

Q. 障害年金はいくらもらえるの? → A. 令和8年度の障害基礎年金は、1級が年1,059,125円、2級が年847,300円です。月額では1級が約8.8万円、2級が約7.1万円。厚生年金に加入中に初診日がある人は障害厚生年金が上乗せされ、3級でも年635,500円の最低保障があります。

障害年金の金額を決めるのは、等級だけではありません。「初診日に入っていた年金制度」「家族構成」「厚生年金の加入期間と給与」でも大きく変わります。私自身、制度を調べ始めた当初は「1級ならいくら」と一つの数字で覚えようとして、何度も混乱しました。この記事では、日本年金機構が公表する令和8年度(2026年4月分〜)の金額をもとに整理します。仕組みから順に、モデルケースの目安まで見ていきましょう。

この記事でわかること

  • 令和8年度の障害年金の金額(1級・2級・3級)の早見表
  • 障害基礎年金と障害厚生年金の違いと計算方法
  • 子の加算・配偶者の加給年金額のしくみ
  • 働き方・家族構成別のモデルケースの受給額の目安
  • 金額に上乗せされる給付や、支給が止まるケース
  • 等級が変わったときや65歳以降の金額の考え方
  • 支給日と、施設で働く人が金額を説明するときのポイント

障害年金はいくらもらえる?令和8年度の早見表

結論として、いくらもらえるのでしょうか。障害基礎年金だけなら2級で月約7.1万円、1級で月約8.8万円が基本額です。まずは等級ごとの全体像を表で確認しましょう。

等級障害基礎年金(年額)障害厚生年金(年額)加算
1級1,059,125円報酬比例の年金額×1.25子の加算/配偶者の加給年金額
2級847,300円報酬比例の年金額子の加算/配偶者の加給年金額
3級支給なし報酬比例の年金額(最低保障635,500円)なし
障害手当金支給なし一時金(最低保障1,271,000円)なし

※金額は昭和31年4月2日以後生まれの人の令和8年度の額です。出典は日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」ほか。

表のとおり、3級と障害手当金は厚生年金にしかない仕組みです。国民年金だけに加入していた時期に初診日がある場合、受け取れるのは1級か2級の障害基礎年金に限られます。

日本年金機構の年金額改定のお知らせによると、令和8年度は引き上げの年です。基礎年金が前年度比1.9%、厚生年金の報酬比例部分が2.0%上がりました。新しい金額は6月15日の支払分(4月・5月分)から反映されています。

障害基礎年金の金額(1級・2級)

障害基礎年金はどう決まるのでしょうか。等級ごとに定額で、収入や加入期間には左右されません。そこに子どもの人数に応じた加算がつきます。

1級と2級の基本額

2級の基本額は、老齢基礎年金の満額と同じ年847,300円です。1級はその1.25倍の年1,059,125円。月額に直すと、2級が約70,608円、1級が約88,260円になります。

なお、昭和31年4月1日以前生まれの人は、1級1,056,125円・2級844,900円とわずかに低い額です。

子の加算額

生計を維持している子がいる場合、次の額が上乗せされます。対象は18歳到達年度の末日までの子で、障害等級1級・2級の子は20歳未満までです。

子の人数加算額(年額)
1人目・2人目1人につき243,800円
3人目以降1人につき81,300円

たとえば2級で子どもが2人いれば、847,300円+243,800円×2=1,334,900円。月額にすると約11.1万円です。

障害厚生年金の金額と計算方法

会社員の場合はどうなるのでしょうか。初診日に厚生年金に加入していた人は、障害基礎年金に加えて障害厚生年金を受け取れます。こちらは給与と加入期間で金額が変わる点が大きな違いです。

等級別の計算式

日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」によると、計算式は次のとおりです。

等級計算式
1級報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金額(243,800円)
2級報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額(243,800円)
3級報酬比例の年金額(最低保障635,500円)

配偶者の加給年金額は、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合に加算されます。3級には加給年金額がつきません。

「300月みなし」が若い人を支える

報酬比例の年金額は、平均給与(平均標準報酬額)と加入月数から計算します。ここで押さえておきたいのが、加入期間が300月(25年)未満なら300月として計算するというルールです。

就職して数年で病気やけがをした人でも、25年加入したものとして計算されます。老齢年金にはない、障害年金ならではの手厚い仕組みです。

報酬比例の年金額の計算式

報酬比例の年金額は、加入した時期によって2つの式を合計して求めます。

  • 平成15年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×7.125/1000×加入月数
  • 平成15年4月以後の加入期間:平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数

平成15年4月から賞与も保険料の対象になったため、式が分かれています。2つの期間の合計が300月に満たない場合は、300月に換算して計算する仕組みです。障害認定日の属する月より後の加入期間は、計算に含まれません。

モデルケースで見る受給額の目安

実際にはいくらくらいになるのでしょうか。会社員で2級・単身なら年130万円台、配偶者と子がいれば年180万円台が一つの目安です。以下は条件を単純化した試算で、あくまで一例として見てください。

ケース等級・家族年額の目安月額の目安
A:国民年金のみ2級・単身847,300円約70,608円
B:会社員1級・単身約1,675,738円約139,645円
C:会社員2級・単身約1,340,590円約111,716円
D:会社員2級・配偶者と子1人約1,828,190円約152,349円
E:会社員3級635,500円(最低保障)約52,958円

試算の前提: 会社員ケースは平均標準報酬額30万円(賞与込みで年収約360万円相当)で計算しています。加入は平成15年4月以後のみ、期間は300月未満(300月みなし)とした場合です。報酬比例部分は30万円×5.481/1000×300月=493,290円です。

ケースEでは報酬比例部分が493,290円となり、最低保障額を下回るため635,500円が支給されます。入社数年で3級に該当した人は、最低保障額になるケースが少なくありません。

実際の金額は、加入時期ごとの乗率や再評価率で変わります。正確な見込み額は、年金事務所や「ねんきんネット」で確認してください。

金額に上乗せされる給付・支給が止まるケース

障害年金の金額だけ見て判断してよいのでしょうか。上乗せされる給付と、逆に支給が減る・止まるケースの両方を知っておくと、見通しが立てやすくなります。

障害年金生活者支援給付金

所得が一定以下の障害基礎年金の受給者には、別の給付が上乗せされます。令和8年度の額は、1級で月7,025円、2級で月5,620円です。障害年金とは別の制度で、請求手続きが必要です。対象条件の詳細は障害年金生活者支援給付金の記事でまとめています。

20歳前の傷病による障害基礎年金の所得制限

20歳前に初診日がある人は、保険料を納めていなくても障害基礎年金を受け取れます。その代わり、本人の所得による制限があります。

基準は日本年金機構の支給制限のページに示されています。扶養親族がいない場合、前年所得が3,761,000円超で半額、4,794,000円超で全額が支給停止です。停止期間は10月から翌年9月まで。扶養親族がいれば、1人につき38万円などが基準額に加算されます。

他の制度との関係

障害年金と一緒に検討されることが多い制度を、金額への影響という視点で整理しました。

制度障害年金との関係詳しい記事
特別障害者手当併給できる(所得制限あり)特別障害者手当とは
生活保護年金は収入として扱われ、保護費が調整される生活保護の障害者加算
障害者控除障害年金自体は非課税。控除は給与等の税金に効く障害者控除とは

障害年金は所得税・住民税がかからない非課税の収入です。一方で、健康保険の扶養判定や生活保護の収入認定では収入として数えられます。この違いが気になる人は、障害年金のデメリットを整理した記事も参考にしてください。

障害年金の支給日と振込の仕組み

いつ振り込まれるのでしょうか。偶数月の15日に、前2か月分がまとめて振り込まれます。15日が土日祝日の場合は、直前の平日が支給日です。

たとえば6月15日には4月分と5月分が支払われます。2級・単身(年847,300円)なら、1回あたりの振込額は約14.1万円です。毎月入ってくる給与とはリズムが違います。家計の管理では、2か月単位で予算を組むと慌てずに済みます。

初めての振込は、請求から決定まで数か月かかるのが一般的です。申請の流れは障害年金の申請方法の記事、決定後の等級見直しは障害年金の更新の記事で解説しています。

等級が変わったとき・65歳以降の金額

一度決まった金額はずっと同じなのでしょうか。等級が変われば金額も変わり、65歳以降は老齢年金との組み合わせを選ぶことになります。

等級の変更による増額・減額

更新時の診断書審査で等級が上がれば増額、下がれば減額されます。2級から3級に下がると障害基礎年金がなくなるため、国民年金のみの人は支給停止になります。

症状が重くなったときは、受給者側から「額改定請求」ができます。請求できるのは、原則として受給権を得た日か前回の審査日から1年経過後です。ただし、明らかに重くなった一定のケースでは1年を待たずに請求できます。

65歳からの選び方

65歳になると、老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取る権利も生まれます。ただし年金は原則として1人1つです。

そのため、次のような組み合わせの中から最も有利なものを選びます。

組み合わせ向いている人の例
障害基礎年金+障害厚生年金障害厚生年金の額が大きい人
障害基礎年金+老齢厚生年金65歳まで長く働き、老齢厚生年金が多い人
老齢基礎年金+老齢厚生年金障害等級が3級で、障害基礎年金がない人

障害基礎年金は満額の老齢基礎年金と同額以上です。加えて非課税でもあるため、2級以上の人は「障害基礎年金+どちらかの厚生年金」を選ぶケースが多いでしょう。どれが有利かは人によって違うため、65歳を迎える前に年金事務所で試算を出してもらい、見比べてから決めてください。

施設で働く人が金額を説明するときのポイント

利用者や家族から「年金はいくら出るの?」と聞かれることは、福祉の現場では珍しくありません。私が話を聞いた現場の職員の多くは、早見表の数字だけを伝えて誤解を生んだ経験があると話していました。

まず、「初診日に国民年金だったか厚生年金だったか」で金額の仕組みがまったく違う点を最初に伝えてください。等級が同じでも、会社員時代に発症した人と学生時代に発症した人では、受給額に大きな差が出ます。

次に、手帳の等級と年金の等級は別物だという点です。障害者手帳が2級でも、障害年金が2級になるとは限りません。手帳の等級の考え方は障害者手帳の等級の記事で整理しています。

最後に、具体的な金額は年金事務所で確認するよう案内することです。職員が個別の金額を断定すると、後でトラブルの種になりかねません。「目安はこのくらい、正確な額は年金事務所で」という伝え方が、利用者にとっても職員にとっても安全な線引きです。

受給できるか不安がある人には、障害年金がもらえない人の特徴をまとめた記事も紹介してください。次に何をすべきかが見えやすくなります。

よくある質問

Q1: 障害年金2級は月いくらもらえますか?

A1: 令和8年度の障害基礎年金2級は年847,300円で、月額にすると約70,608円です。厚生年金に加入中に初診日がある人は、ここに障害厚生年金が上乗せされます。

Q2: 障害年金3級の金額はいくらですか?

A2: 3級は障害厚生年金のみの等級で、報酬比例の年金額が支給されます。計算額が低い場合でも、令和8年度は年635,500円の最低保障があります。

Q3: 障害年金1級は月いくらになりますか?

A3: 障害基礎年金1級は年1,059,125円で、月額約88,260円です。会社員として初診日を迎えた人は、報酬比例の年金額の1.25倍が上乗せされます。

Q4: 子どもがいると障害年金は増えますか?

A4: 増えます。障害基礎年金の受給者に生計を維持している子がいる場合、1人目・2人目は1人につき年243,800円、3人目以降は1人につき年81,300円が加算されます。

Q5: 配偶者がいると金額は変わりますか?

A5: 障害厚生年金の1級・2級を受け取る人に、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合、年243,800円の加給年金額が加算されます。障害基礎年金のみの人には加算されません。

Q6: 障害年金に税金はかかりますか?

A6: 障害年金は非課税のため、所得税や住民税はかかりません。確定申告で収入として申告する必要もありません。

Q7: 障害年金はいつ振り込まれますか?

A7: 偶数月の15日に、前2か月分がまとめて振り込まれます。15日が土日祝日の場合は、その直前の平日に支給されます。

Q8: 働きながら障害年金を受け取ると減額されますか?

A8: 20歳前に初診日がある障害基礎年金は、本人の所得が一定額を超えると半額または全額が支給停止になります。それ以外の障害年金には所得による支給停止の仕組みはありませんが、就労状況が更新時の等級審査で考慮されることはあります。

この記事を書いた人:support-s-log編集部

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