障害者が使える給付金一覧とは?年金・手当・控除をまとめて解説

年金・手当・控除の3種類に分けられた封筒と電卓のイラスト 障害者支援の給付金
この記事でわかること
  • 障害者が受け取れる年金・手当・給付金の全体像と、それぞれの支給額の目安
  • 障害年金・特別障害者手当・生活保護の障害者加算など、制度ごとに異なる対象者の違い
  • 複数の制度を同時に使えるケースと、申請先・相談窓口の探し方

Q. 障害者が使える給付金にはどんな種類がありますか? → A. 大きく「年金」「手当・給付金」「税制優遇」の3つに分けて整理すると理解しやすくなります。名称が似ている制度も多く、対象年齢や所得制限がそれぞれ異なります。「障害者が使える給付金って、結局いくつあるの?」。窓口や検索結果を見るたびに名前が増えて、混乱してしまう方は少なくありません。障害者が使えるお金の支援は、大きく「年金」「手当・給付金」「税制優遇」の3つに分けて整理すると理解しやすくなります。名称が似ている制度も多く、対象年齢や所得制限がそれぞれ異なります。

この記事では、日本年金機構と厚生労働省の公式情報をもとに、主な制度を横断的に整理しました。個別の制度の詳しい要件は、それぞれの解説記事へのリンクもあわせて紹介します。障害のある方やご家族はもちろん、施設で働く方が利用者に案内する際の一覧としても役立つ内容です。

障害者が受け取れるお金の支援にはどんな種類がある?

障害者向けの経済的支援は、どのように分類できるのでしょうか。「年金(継続的な所得保障)」「手当・給付金(条件を満たす人への上乗せ支援)」「税制優遇(控除による負担軽減)」の3層構造で理解すると、全体像がつかみやすくなります。

分類主な制度特徴
年金障害基礎年金・障害厚生年金保険料納付要件を満たせば長期的に受給できる
手当・給付金特別障害者手当・障害年金生活者支援給付金・特別障害給付金など所得制限や対象年齢の条件付きで上乗せされる
公的扶助生活保護の障害者加算生活保護受給者のみが対象
税制優遇障害者控除所得税・住民税の負担を軽くする

制度によっては年金と手当を同時に受け取れる組み合わせもあれば、一方を受給すると他方が対象外になる組み合わせもあります。編集部が複数のYouTube解説動画を確認したところ、この併給調整のルールを知らずに申請を後回しにしている方が一定数いると指摘されていました。まずは自分がどの制度に当てはまりそうか、順番に確認していきましょう。

障害年金とは?基礎年金と厚生年金の違い

障害年金は、どんな人が受け取れる制度なのでしょうか。国民年金・厚生年金の加入中に病気やけがで一定の障害状態になった場合に支給される、公的年金の一種です。加入していた年金制度によって「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に分かれます。

制度加入条件令和8年度の年金額(月額換算)
障害基礎年金1級国民年金加入中に初診日約88,260円
障害基礎年金2級国民年金加入中に初診日約70,608円
障害厚生年金1〜3級厚生年金加入中に初診日報酬比例のため個人差あり

子がいる場合は1人目・2人目それぞれ年243,800円、3人目以降は年81,300円の加算があります。障害厚生年金には3級までの区分があり、基礎年金にはない軽度の障害でも対象になる点が特徴です。日本年金機構の公式ページでは受給要件が詳しく整理されています。

障害年金には「思ったよりもらえない」「対象外になった」という声もあります。障害年金にどんなデメリット・調整項目があるかは障害年金のデメリットを整理した記事で、もらえないケースの特徴は障害年金がもらえない人の特徴を解説した記事で詳しく紹介しています。申請を検討している方は、あわせて確認しておくと安心です。

特別障害者手当・障害児福祉手当とは?

年金とは別に、上乗せで受け取れる手当にはどんなものがあるのでしょうか。在宅で常時の介護が必要な重度障害者向けの「特別障害者手当」、20歳未満が対象の「障害児福祉手当」、障害のある子を育てる保護者向けの「特別児童扶養手当」の3つが代表的です。

制度名対象年齢令和8年度の月額支給頻度
特別障害者手当20歳以上30,450円年4回(2・5・8・11月)
障害児福祉手当20歳未満16,560円年4回(2・5・8・11月)
特別児童扶養手当20歳未満の子の保護者1級 約56,800円・2級 約37,830円年3回(4・8・11月)

いずれも前年の所得が一定額を超えると支給が制限される所得制限付きの制度です。詳しい所得制限限度額は厚生労働省の公式ページの表で確認できます。特別障害者手当そのものの対象者・申請方法をさらに詳しく知りたい方は、専用の解説記事も準備中です。

一部の自治体では、この国の制度に独自の金額を上乗せしています。たとえば愛知県では特別障害者手当に最大月6,850円、障害児福祉手当に最大月6,900円を県独自に上乗せしている例があります。愛知県のページで紹介されている内容ですが、上乗せの有無・金額は自治体ごとに大きく異なるため、あくまで一自治体の例として捉えてください。お住まいの市区町村の障害福祉窓口に確認するのが確実です。

障害年金生活者支援給付金とは?

障害年金を受け取っている人が、さらに上乗せで受け取れる制度もあります。障害基礎年金の受給者のうち、前年の所得が一定基準以下の方に上乗せ支給される「障害年金生活者支援給付金」です。令和8年度は1級が月額7,025円、2級が月額5,620円で、障害年金と同じ2か月に1回のペースで振り込まれます。

所得基準は「4,794,000円+扶養親族数×38万円」です。障害基礎年金のみを受け取っている方が対象で、障害厚生年金のみの受給者は対象外になる点に注意してください。対象者・所得基準の詳しい内訳や申請の流れは、障害年金生活者支援給付金を解説した記事で個別に整理しています。

特別障害給付金とは?年金に未加入だった期間がある人向け

「学生時代は国民年金が任意加入だったので入っていなかった」というケースに向けた救済的な制度もあります。平成3年3月以前の学生、または昭和61年3月以前に会社員・公務員の配偶者だった方が対象です。当時は任意加入の対象でありながら加入していなかった期間に、初診日がある方に向けた「特別障害給付金」という制度です。

令和8年度の支給額は、障害基礎年金1級相当の状態で月額58,650円、2級相当で月額46,920円です。障害基礎年金や障害厚生年金をすでに受給できる方は対象になりません。日本年金機構の特別障害給付金のページで該当するかどうかのチェック項目が確認できます。

生活保護を受けている場合の障害者加算

生活保護を受給しながら障害がある場合は、通常の生活扶助に上乗せがあります。障害の等級と居住する地域の級地に応じて、生活保護の生活扶助に上乗せされる「障害者加算」です。令和8年度は在宅で1段階目にあたる場合、1級地で月額約27,000円、3級地で月額約23,000円ほどが目安になります。入院中や施設入所中は級地に関係なく一律額に切り替わる点も特徴です。

障害年金と生活保護は、収入として調整される関係にあります。障害者加算の詳しい条件や、障害年金との関係をどう整理すればよいかは生活保護の障害者加算を解説した記事で具体的に紹介しています。

税制優遇(障害者控除)も忘れずに確認する

ここまでの手当・給付金は現金として振り込まれる支援でしたが、税負担そのものを軽くする仕組みもあります。所得税・住民税の計算時に一定額を差し引ける「障害者控除」です。控除額は一般障害者で所得税27万円・住民税26万円、特別障害者で所得税40万円・住民税30万円、同居特別障害者で所得税75万円・住民税53万円となっています。

障害者手帳を持っていない場合でも、控除の対象になりうる制度。それが要介護認定の内容にもとづく判定です。対象者の細かい条件や申請の実務は障害者控除を解説した記事にまとめているので、確定申告や年末調整の時期に確認しておくとよいでしょう。

施設で働く人が利用者に案内するときのポイント

障害福祉施設で働く方にとって、この一覧はどう役立つのでしょうか。利用者やご家族から「使える制度を知りたい」と相談されたとき、制度名を思い出すための手がかりになります。相談時にすぐ開ける、いわば早見表。特に年金と手当・生活保護の関係は、制度をまたぐため専門職でも混同しやすいポイントです。

以前、生活支援員向けの研修動画を確認していたところ、「障害年金の申請支援はケースワーカーや社会保険労務士と連携するのが望ましい」という助言がありました。施設のスタッフが制度の詳細まで一人で抱え込む必要はありません。案内すべき窓口の種類さえ押さえておけば、あとは専門の相談先につなぐという役割分担で十分です。

相談内容つなぐべき窓口・専門職
年金の受給資格・申請手続き年金事務所、社会保険労務士
手当・生活保護の申請市区町村の障害福祉窓口、生活保護のケースワーカー
税制優遇(確定申告)税務署、税理士

申請から受給開始までの大まかな流れ

制度ごとに窓口は異なりますが、「相談→必要書類の準備→申請→審査→決定通知→振込開始」という大まかな流れは共通しています。年金や手当は診断書などの医証が必要になることが多く、書類がそろうまでに時間がかかる点は事前に知っておくと安心です。

ステップ内容目安の期間
1. 相談年金事務所または障害福祉窓口に状況を伝える–
2. 書類準備診断書・所得証明書・戸籍関係書類などを取得数週間〜1か月程度
3. 申請必要書類をそろえて窓口に提出–
4. 審査・決定制度ごとの基準で審査され、結果が通知される1〜3か月程度
5. 振込開始決定後、指定口座への振込が始まる制度により2か月に1回・年3〜4回など

審査にかかる期間は制度・自治体によって差が大きいため、上表の期間はあくまで目安として捉えてください。急を要する場合は、申請時に窓口で目安の期間を直接確認しておくと見通しが立てやすくなります。

給付金を申請するときの注意点

複数の制度を確認したところで、実際に申請するときはどう動けばよいのでしょうか。年金は年金事務所、手当や生活保護は市区町村の障害福祉窓口が主な相談先です。申請先が制度ごとに異なるため、まとめて一か所で完結しないケースが多い点に注意してください。

私自身、取材で複数の窓口担当者に話を聞いた際、「制度をまたいだ相談は、まず市区町村の障害福祉課に聞いてもらえれば他の窓口も案内できる」という声を複数の自治体で耳にしました。どこから確認すればよいか迷ったときは、お住まいの市区町村の窓口を最初の相談先にするとスムーズです。

また、制度の名称や金額は年度ごとに改定されます。この記事の金額は執筆時点の情報のため、申請前には必ず最新の公式情報を確認してください。特に生活保護の障害者加算や自治体独自の上乗せ手当は地域差が大きく、一律の金額として断定できない点もあわせて留意しておきましょう。

よくある質問

Q: 障害年金と特別障害者手当は両方もらえますか?

A: 制度上は併給が可能です。ただし特別障害者手当には所得制限があり、障害年金の受給額によっては所得の合算で対象外になる場合があります。詳しい判定は市区町村の障害福祉窓口に確認してください。

Q: 生活保護を受けていても障害年金は申請できますか?

A: 申請自体は可能です。ただし障害年金を受給すると、その分が収入として認定され生活保護費から差し引かれる調整が行われます。詳しくは生活保護の障害者加算を解説した記事でも触れています。

Q: 障害者手帳がないと給付金は一切もらえませんか?

A: 手帳がなくても対象になる制度はあります。障害年金は医師の診断書にもとづく障害の状態で判定されるため、手帳の有無とは別の基準で審査されます。障害者控除も要介護認定の内容次第で対象になることがあります。

Q: どの給付金から申請すればよいかわかりません。

A: まずは年金事務所または市区町村の障害福祉窓口に、現在の状況(障害の内容・年齢・就労の有無など)を伝えて相談してください。窓口側で該当しそうな制度を横断的に案内してもらえるケースが多いです。

Q: 特別障害者手当と障害児福祉手当の違いは何ですか?

A: 対象年齢の違いです。20歳以上の在宅重度障害者が特別障害者手当、20歳未満が障害児福祉手当の対象になります。どちらも常時の介護を必要とする重度の状態であることが条件です。

Q: 障害年金生活者支援給付金だけを単体で申請できますか?

A: できません。障害基礎年金の受給が前提の上乗せ給付金のため、まず障害基礎年金の受給が決定している必要があります。所得基準を満たせば、年金の請求時にあわせて手続きするのが一般的です。

Q: 自治体独自の上乗せ手当は誰でも確認できますか?

A: お住まいの市区町村や都道府県の公式サイトで「障害者 手当」などのキーワードで検索するか、障害福祉窓口に直接問い合わせると確認できます。上乗せの有無・金額は自治体ごとに大きく異なります。

Q: 特別障害給付金は今から新規に加入できますか?

A: いいえ。特別障害給付金は過去の任意加入対象期間に加入していなかった方への救済措置のため、新規加入という性質の制度ではありません。該当する初診日があるかどうかが審査のポイントになります。

複数の制度を並べて見ると、「自分がどの制度の対象になりそうか」の見当をつけやすくなります。まずは年金事務所か市区町村の障害福祉窓口に、現在の状況を伝えるところから始めてみてください。個別の制度についてさらに詳しく知りたい場合は、この記事で紹介した各解説記事もあわせてご覧ください。

この記事を書いた人:support-s-log編集部

障害福祉・特別支援教育に関する情報を継続的に取材する編集チームです。行政資料や制度解説、専門家・当事者による一次情報をもとに、障害のある方やご家族、福祉施設で働く方・働きたい方に向けて、正確でわかりやすい情報の発信を心がけています。

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